ヨガは単なるストレッチや健康体操ではありません。その誕生からひも解く、ヨガの本当の目的とは?
ヨガは今から4000年ほど前にインドで誕生したといわれています。古代インド人はその厳しい自然環境の中で、どうしたら様々なことに惑わされず、心も体も強く生きていけるか、さらに心身を高めていけるかを試行錯誤していました。
この頃のヨガは今のようにポーズを伴うものではありませんでした。長い間、ヨガは瞑想を中心に行われ、「ヨガ=哲学」として発展していったのです。心身の絶対なる統一をもって至上の境地に至ること、つまり仏教でいうところの「悟りを開く」ことを目指していました。
誕生以来3000年以上の間、よりよく生きるための哲学として瞑想を中心に行われてきたヨガですが、今から1000年ほど前、「ハタヨガ」が生まれます。体の動きと呼吸を組み合わせて心を集中しやすく、瞑想しやすくしようとしたのです。
現在誰もがイメージするヨガは、ここでようやく誕生しました。ヨガといえば様々なポーズを思い浮かべますが、それは瞑想を助けるために生み出され、発展していったものなのです。
「悟りを開くためにヨガをやりましょう」というとなんだか大げさで身構えてしまいますが、ヨガの哲学は現代の私たちの生活の中にも活かすことができます。 あのときあれをすればよかったな、このあとはあれをやってそのあとは、、、私たちの心は常に過去と未来にとらわれ、現在をないがしろにしがちです。慌ただしく過ぎる毎日の中で、“いまを生きる”ことは容易ではありません。
しかしヨガ哲学では、いまを生きてこそ人生は豊かに幸福に近づくと考えます。ヨガは古代インド人が生み出した “いま・ここ”に心を止めて生きるための修行のひとつなのです。
ヨガで“いまを生きる”術を身につけ、現在の自分と向き合い、心身ともに健康で充実した素晴らしい人生を手に入れたいですね。