ピラティスが目指すものとは？ムキムキ、マッチョな筋肉ではなく、強くしなやかな筋肉をつくる意義。

　ピラティスはジムトレーニングなどとは違い、一部の筋肉を過剰に発達させるために不自然な負荷をかけたり、ほかの筋肉の機能や柔軟性を犠牲にしたりすることはありません。すべての筋肉を均一に発達させ、隆々とした筋肉ではなく、強くしなやかな筋肉をつけることを目標にしています。これは、ピラティスの理想を実現するためのものです。

　ピラティスは単なる腹筋運動のバリエーションでもストレッチやヨガの一種でもありません。ピラティスの大きな特徴の一つは、身体と頭と精神の完全な調和を目指すエクササイズだということです。

　ピラティスでは身体と精神のどちらかを重視するのではなく、どちらも同時に発達させることが重要であると考えます。身体ばかりを大きくしても、精神の成長が伴わなければバランスを崩します。反対に、精神ばかりを発達させても、健全な身体が伴わなければ理想を実現できません。

　身体と頭と精神の完全な調和を目指すためには、ピラティスを通して筋肉の動きや骨格の構造を理解し、そのメカニズムを正確に把握し、正しく活用し、意識的にコントロールできるようになることが必要です。

「健全な精神は健全な肉体に宿る」とピラティスは言います。

　現代人の多くが身体的健康と精神的健康の調和が欠如しており、その身体と精神のアンバランスは、モラルの低下や過剰なストレスを引き起こし、犯罪や病気を増加させるといいます。ピラティスのエクササイズを通して、頭で身体を完全にコントロールできるようになれば、身体と精神はバランスを取り戻します。正しい呼吸と正しい姿勢が身に付き、身体の元気は回復し、心が活性化し、精神力を高めることができます。

　身体と頭と精神の完璧なバランスを追求することで、心身ともに健康と幸福を手に入れようというのがピラティスの真の目的なのです。